映画好きが参考にする老舗雑誌、キネジュンこと、キネマ旬報。
邦画を見たい気分だけど、何を見ていいかわからない、そんなときにこの良質なキネジュン歴代受賞作品を参考にしてみてはいかが。
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キネマ旬報の歴代日本映画ベストテン・1位作品(2018年~2000年)
『万引き家族』

内容
治たち家族5人は祖母の年金を頼りに、足りないものは万引きで賄いながらも、笑いの絶えない日々を送っていた。
ある冬の夜、治と息子・祥太は近隣の団地の廊下で震えていた幼いゆりを見つけ、家に連れ帰る。治たちは傷だらけのゆりを娘として育て始めるが…。
出演
(治)
リリー・フランキー
(信代)
安藤サクラ
(初枝)
樹木希林
(亜紀)
松岡茉優
(4番さん)
池松壮亮
(祥太)
城桧吏
(ゆり)
佐々木みゆ
緒形直人
メモ
是枝監督の特徴的な演出である脚本を渡さず、口頭でせりふを伝える演出法により、子役たちの自然な振る舞いや安藤サクラの熱い落涙など、印象的な演技を引き出している。
『夜空はいつでも最高密度の青色だ』

内容
看護師として病院に勤務する美香。建設現場で日雇いとして働く慎二。ある日、慎二は同僚・智之たちと入ったガールズバーで、アルバイトとして働く美香と出会う。
都会で生き辛さを抱えつつも、懸命に生きるすべを模索する2人は、近づいては離れていく。
出演
(美香)
石橋静河
(慎二)
池松壮亮
(玲)
佐藤玲
(牧田)
三浦貴大
(アンドレス)
ポール・マグサリン
(老人)
大西力
(路上で歌っている女)
野嵜好美
メモ
「舟を編む」の石井裕也監督が、東京の片隅に生きる男女の言葉にならない感情の震えを見事に描いている。
原作は世代や性別を超えて支持を受けている最果タヒの同名詩集。
『この世界の片隅に』

内容
昭和19年、絵を描くことが好きなすずは海軍の街・呉に嫁ぐ。見知らぬ土地に戸惑いながらも、一家の日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。
だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、幾度もの空襲に襲われる。そして、昭和20年の夏がやってきた。
出演
(北條(浦野)すず)
のん
(北條周作)
細谷佳正
(黒村晴美)
稲葉菜月
(黒村径子)
尾身美詞
(水原哲)
小野大輔
(浦野すみ)
潘めぐみ
(白木リン)
岩井七世
(北條円太郎)
牛山茂
メモ
能年玲奈改め“のん”がアニメ映画に初挑戦し、絶賛された。戦時下でも繰り返される何気ない日常。
ごく普通の人々のドラマを等身大に描き、静かな感動を呼ぶ。
『恋人たち』

内容
数年前に通り魔で妻を失い、健康保険料も払えない極貧生活を送るアツシ、自分に関心のない夫とそりの合わない姑と暮らす瞳子、親友への思いを胸に秘める完璧主義者の弁護士・四ノ宮。
彼らはそれぞれ当たり前の日々を失うことで、大切なことに気づいていく。
出演
(篠塚アツシ)
篠原篤
(高橋瞳子)
成嶋瞳子
(四ノ宮)
池田良
(吉田晴美)
安藤玉恵
(黒田大輔)
黒田大輔
(保健課職員 溝口)
山中崇
(女子アナ)
内田慈
(四ノ宮の友人 聡)
山中聡
メモ
心に傷を抱える男女3人を中心に、もがき苦しみながらも小さな希望を目指して懸命に生きる人々を描く。
メインのひとりを演じた篠原篤が日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
『そこのみにて光輝く』

内容
看護師として病院に勤務する美香。建設現場で日雇いとして働く慎二。ある日、慎二は同僚・智之たちと入ったガールズバーで、アルバイトとして働く美香と出会う。
都会で生き辛さを抱えつつも、懸命に生きるすべを模索する2人は、近づいては離れていく。
出演
(美香)
石橋静河
(慎二)
池松壮亮
(玲)
佐藤玲
(牧田)
三浦貴大
(アンドレス)
ポール・マグサリン
(老人)
大西力
(路上で歌っている女)
野嵜好美
メモ
「舟を編む」の石井裕也監督が、東京の片隅に生きる男女の言葉にならない感情の震えを見事に描いている。
原作は世代や性別を超えて支持を受けている最果タヒの同名詩集。
『ペコロスの母に会いに行く』

内容
長崎で生まれ育ったサラリーマン・ゆういちは、ちいさな玉ねぎ「ペコロス」のようなハゲ頭を光らせながら、漫画を描いたり、音楽活動をしている。男
やめものゆういちは、夫の死を契機に認知症を発症しはじめた母・みつえの面倒を見ていたが、症状が進行した彼女を、断腸の思いで介護施設に預けることになる。
過去へと意識がさかのぼることの増えたみつえ。その姿を見守る日々のなかで、ゆういちの胸には、ある思いが去来する─。
出演
岩松了 赤木春恵 原田貴和子 加瀬亮
メモ
監督:森崎東
『かぞくのくに』

内容
在日朝鮮人が日本から移住する「帰国事業」によって北朝鮮へ渡ったソンホが、25年ぶりに来日。
日本で育った妹のリエは、久しぶりの兄との再会に心を弾ませるが、ソンホの行動には監視役が常に目を光らせており、彼が本音を語ることは許されていなかった。
出演
(リエ)
安藤サクラ
(ソンホ)
井浦新
(ヤン同志)
ヤン・イクチュン
(スニ)
京野ことみ
(ホンギ)
大森立嗣
(ジュノ)
村上淳
(チョリ)
省吾
メモ
在日コリアン2世であるヤン・ヨンヒ監督の実体験を元に描かれた家族ドラマ。北朝鮮と日本の間で引き裂かれる家族の絆と、それぞれの複雑な「祖国」への思いをつづる。
『一枚のハガキ』

内容
日本最高齢の巨匠・新藤兼人監督が描く反戦映画。戦争末期に召集された中年兵は、クジ引きで戦地を決められた。
フィリピンで戦死した友人から1枚のハガキを託された松山啓太は、手紙の送り主である友人の妻を訪ねる。
出演
豊川悦司 大杉漣 六平直政 柄本明 倍賞美津子 津川雅彦 大竹しのぶ
メモ
脚本:新藤兼人
原作:新藤兼人
『悪人』

内容
長崎のさびれた漁村で祖父母と暮らす土木作業員の青年・清水祐一。
彼は出会い系サイトを通じて佐賀に住む馬込光代と会い、刹那の愛欲に溺れる。その後、祐一が福岡の女性殺人事件の真犯人であることが発覚し、警察から逃れる祐一は光代を車に乗せ…。
出演
(清水祐一)
妻夫木聡
(馬込光代)
深津絵里
(増尾圭吾)
岡田将生
(石橋佳乃)
満島ひかり
(佐野刑事)
塩見三省
(久保刑事)
池内万作
(矢島憲夫)
光石研
(清水依子)
余貴美子
(清水勝治)
井川比佐志
(堤下)
松尾スズキ
監督
李相日
原作
吉田修一
音楽
久石譲
メモ
孤独に共鳴しあう男女の希望のない逃避行をリアルに描き、人間の本質を炙り出す作品。深津絵里が濡れ場にも挑み、モントリオール世界映画祭最優秀女優賞を受賞した。
『ディア・ドクター』

内容
山あいの小さな村。唯一の医師として人々から慕われていたひとりの医師が失踪した。警察がやってきて捜査が始まるが、驚いたことに村人は、自分たちが唯一の医者として慕ってきたその男について、はっきりした素性を何一つ知らなかった。
やがて経歴はおろか出身地さえ曖昧なその医師、伊野の不可解な行動が浮かびあがってくる--。遡ること二か月。東京の医大を卒業した相馬は、研修医としてその村に赴任してきた。コンビニ一つなく、住民の半分は高齢者という過疎の地。そこで相馬は、伊野という腰の据わった勤務医と出会う。
日々の診察、薬の処方からボランティアの訪問健康診断まで。村でただ一人の医者として、彼はすべてを一手に引き受けていた。診療所に住み込み、急患が出れば真夜中でも飛んでくる伊野のことを、村人は「神さま仏さま」よりも頼りにしている。
僻地の厳しい現実に最初は戸惑っていた相馬も、村中から親しげに「先生」と呼びかけられる伊野の献身的な働きぶりに共感を覚えるようになっていく。ある日、かづ子という一人暮らしの未亡人が倒れた。彼女は、自分の体がもう大分良くないことに気づいている。
「先生、一緒に嘘、ついてくださいよ」。やがて伊野がかづ子の嘘を引き受けたとき、伊野自身がひた隠しにしてきたある嘘も浮かび上がってくる。ずっと言うことができずにいた一つの嘘が──。
出演
笑福亭鶴瓶 瑛太 余 貴美子 井川遥 香川照之 八千草薫
メモ
原作/脚本/監督:西川美和
『おくりびと』

内容
「年齢問わず、高給保証!実質労働時間わずか。旅のお手伝い。NKエージェント!!」この求人広告を手に「NKエージェント」を訪れた元チェロ奏者の小林大悟(本木雅弘)は、社長の佐々木(山崎努)から思いもよらない業務内容を告げられる。
その仕事とは、遺体を棺に収める“納棺”という仕事だった。戸惑いながらも、大悟は妻・美香(広末涼子)に仕事内容を偽り、納棺師の見習いとして働き出す。
出演
本木雅弘 広末涼子 余貴美子 吉行和子 笹野高史 山崎努
音楽:久石譲
メモ
「人は誰でもいつか、おくりびと、おくられびと」・・・ひょんなことから遺体を棺に納める納棺師となった若者が、仕事を通して成長していく姿とその周囲の人間模様を描いた物語。
“死者を弔い送り出す”という儀式を通して浮かび上がる、夫婦の愛、子への愛、父や母への思い、友情、そして仕事への矜持を丹念に描き、観る者に大きな感動を与える。監督は滝田洋二郎。キャストには、本木雅弘、広末涼子、山崎努ら実力派が揃い、放送作家・小山薫堂が脚本を担当した。
米国アカデミー賞外国語映画賞をはじめ国内外で数々の賞を受賞。第32回日本アカデミー賞では監督賞、主演男優賞など10部門の最優秀賞を総なめにした。(2008年公開作品)
『それでもボクはやってない』

内容
就職活動中のフリーター・金子徹平はある日、満員電車の中で痴漢に間違えられて逮捕されてしまう。
身に覚えのない徹平は無罪を主張したものの、警察は耳を貸さず、そのまま起訴へ。その後、母親や友人たちの協力を得た徹平は、弁護士と共に裁判へ挑むが…。
出演
加瀬亮 瀬戸朝香 山本耕史 もたいまさこ 役所広司
メモ
監督:周防正行
徹底した調査に基づき、痴漢冤罪事件の逮捕から裁判までの過程を、さまざまな問題点を浮かび上がらせながら描く。単なる再現ドラマに終わらない巧みな語り口が見事。
『フラガール』

内容
昭和40年、エネルギー革命により閉鎖が迫る炭鉱のまち。そこでは北国をハワイに変えようという起死回生のプロジェクトが持ち上がっていた。目玉となるのはフラダンスショー。
誰もが見たことがなかったフラダンスを炭鉱娘に教えるため、東京からダンサー平山まどかが教師としてやってきた。旬を過ぎ、しがらみを抱えるが故に、最初は嫌々ながら教えるまどかだったが、生きるためにひたむきに踊る少女たちの姿に、いつしか忘れてかけていた情熱を思い出してゆく。
しかし肌を露に腰蓑をつけるなど恥とされた時代、世間の風当たりは冷たく、教える相手は全てのド素人。果たして常夏の楽園は誕生するのか?オープンの日は迎えられるのか?
出演
松雪泰子 豊川悦司 蒼井優 山崎静代 岸部一徳
メモ
昭和40年代、福島県いわき市炭鉱町の「常盤ハワイアンセンター」を舞台に、フラダンスショーを成功させるために奮闘する人々の実話を映画化。
『69 sixty nine』の李相日監督が、激動する時代を駆け抜けた人々の友情と輝きを感動ドラマに仕上げ、日本アカデミー賞5冠王、ブルーリボン賞3冠王など、数多くの映画賞を受賞した。
主演の松雪泰子をはじめ、『百万円と苦虫女』の蒼井優や南海キャンディーズの山崎静代らが披露する華やかなフラダンスが見どころ。
『パッチギ!』

内容
1968年の京都。朝鮮高校のアンソンたちと、府立東高校の空手部は反目しあってケンカが絶えない。松山康介は府立東高の2年生。モテたい一心で、同級生の吉田紀男とGS人気にあやかって「キノコカット」にしたばかり。
ある日、康介は“平和協定”のために親善試合を申し込みに行った朝鮮高校でフルートを奏でるキョンジャに出会い心奪われてしまう。国籍の違いに戸惑いながらもキョンジャに近づきたくてギターを覚え、キョンジャが奏でた歌「イムジン河」を覚え、朝鮮語を覚えようとする康介・・・。
激しいケンカと切ない恋と熱い友情に溢れる、青春活劇!
出演
谷瞬 高岡蒼佑 オダギリジョー 余貴美子 前田吟 沢尻エリカ
メモ
監督:井筒和幸
『誰も知らない』

内容
都内の2DKのアパートで大好きな母親と幸せに暮らす4人の兄妹。しかし彼らの父親はみな別々で、学校にも通ったことがなく、3人の妹弟の存在は大家にも知らされていなかった。
ある日、母親はわずかな現金と短いメモを残し、兄に妹弟の世話を託して家を出る。この日から、誰にも知られることのない4人の子供たちだけの『漂流生活』が始まる・・・・・・。
出演
監督/脚本/編集/プロデュース:是枝裕和
塩柳楽優弥 北浦愛 木村飛影 清水萌々子 韓英恵 YOU 串田和美 岡元夕紀子 平泉成 加瀬亮 タテタカコ 木村祐一 遠藤憲一 寺島進
メモ
2004年カンヌ国際映画祭 最優秀男優賞受賞(柳楽優弥)
『美しい夏キリシマ』

内容
黒木和雄監督が多感な少年期を過ごした宮崎の美しい村を舞台に、永遠に忘れられない記憶を映画化した戦争レクイエム3部作の第2弾。
1945年、夏の霧島地方。戦時中の混乱の中で、純粋さゆえに自分を見失っていく15歳の少年と、懸命に生きる人々の姿を繊細に描く。
出演
柄本佑 小田エリカ 左時枝 牧瀬里穂 石田えり 香川照之
メモ
監督: 黒木和雄
『たそがれ清兵衛』

内容
庄内・海坂藩の下級藩士・井口清兵衛は、妻を病気で亡くし、ふたりの娘と年老いた母の世話に明け暮れていた。
「たそがれ清兵衛」と呼ばれながら慎ましく生きていた彼は、ふとしたきっかけで剣の腕が立つことを知られ、上意討ちの討ち手に選ばれてしまう。
出演
(井口清兵衛)
真田広之
(飯沼朋江)
宮沢りえ
(久坂長兵衛)
小林稔侍
(甲田豊太郎)
大杉漣
(飯沼倫之丞)
吹越満
(井口萱野)
伊藤未希
(井口以登)
橋口恵莉奈
監督
山田洋次
メモ
時代小説の大家・藤沢周平の3つの短編をもとに、妻を亡くし、子育てしながら慎ましく生きる武士の姿を描出。情緒あふれる演出やリアリティに満ちた剣戟シーンが見どころ。
『GO』

内容
在日韓国人三世の高校生・杉原は、喧嘩ばかりの日々を送っていた。ある日彼は、同級生・加藤のバースデイパーティーで桜井という少女に出会い恋に落ちる。
ふたりはデートを重ねて距離を詰めていくが、杉原が自分が在日であることを彼女に告白すると…。
出演
窪塚洋介 柴咲コウ 山本太郎 新井浩文
メモ
監督:行定勲 脚本:宮藤官九郎
恋や友情に悩みながらアイデンティティに目覚めていく窪塚洋介の演技が瑞々しい。共演は柴咲コウ、大竹しのぶ、山崎努ら実力派が揃う。監督はヒットメーカー・行定勲。
『顔』

内容
『どついたるねん』など、男くさいドラマを描いてきた阪本順治が、初めて女性を主役に手掛けた人間ドラマ。
閉じこもりっきりの正子は、母の葬式の日、日ごろの怒りを爆発させ妹を殺害してしまう。初めて外の世界へ出て逃亡生活が始まる。
出演
藤山直美 早乙女愛 内田春菊 豊川悦司
メモ
監督: 阪本順治